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云上岭南 Lingnan on the Cloud

【雲上嶺南·日语】山海プロジェクトのショートフィルム、日本初上陸― 嶺南文化が観客の心を動かす

山海计划短片首次“出海”日本 岭南风情打动观众

来源:羊城晚报-云上岭南 作者:李丽 发表时间:2024-10-16 22:07

「中国の新世代監督の作品を観られるのは貴重です!」「中国映画に対するイメージが刷新されました。」「中国の広大な地域と多様な文化に再び感嘆しました。」―― 10月14日、羊城晩報報業グループが主催する「山海に向かう」若手監督創作支援プロジェクト(以下、山海プロジェクト)が日本・北海道札幌で2024年度山海上映シーズンの初回イベントを開催。映画を鑑賞した日本の観客は、このような感想を口にしました。

これは、2023年度の山海上映シーズンがマレーシア・クアラルンプールにて開催された後、再び山海プロジェクトのショートフィルムが国外で上映されたものです。当日は、多くの日本の映画関係者、文化研究者、映画ファンが会場に訪れ、山海プロジェクトに参加した若手監督たちとの対話が行われました。中日両国の監督たちの異なる創作環境から、若者同士の文化的な共鳴まで、話題は次第に映画を超えた広い範囲に及びました。

山海上映シーズンの北海道イベントは、羊城晩報報業グループが主催し、札幌フィルムコミッションの協力、北海道大学大学院文学研究院の学術支援のもと開催されました。映画空気株式会社および月満社株式会社も協力。日本の観客に山海プロジェクトのショートフィルムを届けるだけでなく、山海プロジェクト委員会は札幌フィルムコミッションや札幌国際短編映画祭委員会などの機関と座談会を行い、今後の国際的な協力を深める可能性を探る予定です。映画を通じて、異文化交流を促進することを目指しています。

(1)上映会場の熱気

2024年度の山海上映シーズン北海道イベントでは、日本の観客に3本の短編映画を紹介しました。上映された作品は『家族旅行』、『海水で淹れたお茶の味は』、『The River That Holds My Hand』の3本です。これらの作品はすべて、粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア)の新世代監督たちが制作しました。彼らは2023年に山海プロジェクトに選ばれ、制作資金を受けて作品を創作しました。青年監督スー・ゼラン(蘇沢朗)の『家族旅行』は、彼の故郷である香港で繰り広げられる家族の物語を描き、チェン・ジエンハン(陳堅杭)の『The River That Holds My Hand』は、中国の潮州とベトナムのホーチミン市における同じ郷愁を捉えようと試みています。ホアン・ウェンリー(黄文礼)の『海水で淹れたお茶の味は』は、広東省清遠にある茶工場で働くベトナムからの帰還華僑が、人生の痛みと喪失にどう向き合うかを描いています。この作品は、国内外の複数の映画祭にノミネートされており、現在開催中の第19回札幌国際短編映画祭にも選出されています。


「中国嶺南地域からの3本の短編が札幌にやってくる!」。イベント開始の一週間前から、北海道新聞などの地元メディアを通じて、山海上映シーズンの情報が広まりました。イベント当日、上映会場はすぐに満員となり、スタッフは追加の椅子を急遽用意するほどの観客が詰めかけました。3本の短編映画はすべて嶺南地方の方言で撮影されましたが、言葉を超えた感情と丁寧な日本語字幕のおかげで、観客はすぐに物語に引き込まれました。1時間半の上映時間はあっという間に過ぎ、上映終了後、観客は長く続く熱烈な拍手で作品への感謝を示しました。

『海水で淹れたお茶の味は』の監督であるホアン・ウェンリーは、山海プロジェクトを代表して、観客に感謝の意を表しました。最初は海外の観客を前にやや緊張していた彼でしたが、観客から次々に寄せられる熱心な質問がその緊張をほぐしていきました。「映画におけるお茶の特別な意味は何ですか?」「映画の中国語タイトルと日本語タイトルにはどう違いがありますか?」「華僑の物語とラブストーリーをなぜ融合させたのですか?」―― 観客たちは映画の制作背景についてもっと知りたがっていました。ホアン・ウェンリーはこれらの質問に誠実に答えました。彼は、物語のインスピレーションはベトナム帰還華僑の実際の歴史から得たものであり、特に彼らが困難な時代に祖国に戻る過程の情景が印象的だったと語りました。「一家が2隻の船に分かれて、嵐に備えて海を渡った。その時、もし嵐が本当に来たら、片方の船が沈み、残された人々はどのようにその後の人生を送るのだろうと想像しました。」観客の一人は、映画のオープンエンディングについて監督に質問しました。男性が亡くなった妻を飲み込んだ海を見つめるシーンが、追悼なのか別れなのかを尋ねると、ホアン・ウェンリーはこう答えました。「この結末は一つの問いかけです。時代の流れに押されながらも、私たちは足を止めるのか、それとも一歩前に進むべきなのか。映画の中の男性は、彼自身の一歩を踏み出したのです。」

(2)札幌から中国監督への招待

観客との交流に加え、この日、ホアン・ウェンリー監督は山海プロジェクトを代表して、日本の映画業界および学術界の代表者たちと対談しました。日本の若手監督である長沼里奈、著名な映画学者兼評論家の堅田諒、札幌フィルムコミッション代表の芳賀優菜と共に、中日両国の映画産業や創作に関する議論が繰り広げられました。


長沼里奈はこれまで中国香港やマカオの若手クリエイターとの関わりが深く、今回が初めて中国本土の若手監督の作品に触れる機会でした。彼女は、3本の作品の「静かな」スタイルや長回しのカメラワークの成熟した使い方に深い印象を受けたと述べました。堅田諒は特に『海水で淹れたお茶の味は』の映像と音響表現に注目し、「視覚的に中国嶺南の風情を伝えただけでなく、音響デザインも非常に巧妙で、中国の海洋文化を想起させた」と高く評価しました。

対談の中で、ホアン・ウェンリー監督は新監督としての悩みを率直に語りました。「私の作品が退屈だと思われませんでしたか?こういった作品に市場はあるのでしょうか?」と問いかけると、長沼里奈は即座に「退屈どころか、私は深く感動しました」と答えました。さらに、ホアン監督の作風が、中国の若手監督であるビー・ガン(畢贛)の作品を思い起こさせると指摘し、「彼は近年、日本市場でも非常に人気があります」と付け加えました。堅田諒は笑顔で観客席を指し、「この満員の観客を見れば答えがわかるでしょう。もし将来、長編映画を撮ったら、私はその最初の観客になりたいです」と語りました。

また、札幌フィルムコミッションの代表である芳賀優菜は、ホアン監督に撮影場所について質問しました。「映画には様々なシーンがありましたが、ロケ地の確保で苦労しましたか?」と尋ねると、ホアン監督は「羊城晩報報業グループのサポートに感謝しています。制作資金だけでなく、ロケ地を含む多くの面で大きな支援を受けました」と答えました。

芳賀優菜は、羊城晩報を通じて中国の映画制作者たちに札幌での撮影を奨励し、札幌への招待を表明しました。彼女は札幌の映画支援策についても紹介し、「札幌で7日以上の撮影が行われる映画には、札幌フィルムコミッションが最大1000万円の補助金を提供します」と述べました。

(3)岭南の風情が日本の観客を魅了

中日両国の若手映画監督の成長過程について語る中で、長沼里奈は、中国の若手映画監督が良質な映画教育を受けていることに対し、羨望の念を表しました。彼女は次のように述べました。「私は高校を卒業してから、現場での実践を通じて成長してきました。実際、多くの日本の若手映画監督は大学に通っていません。今回の山海プロジェクトの3本の短編映画を見て、中国の若手監督たちの映像技法が非常に成熟していることに驚きました。もし日本の若手監督たちも同様の専門教育を受けていたら、彼らの作品もさらにレベルアップするかもしれません。」


さらに、長沼里奈は、山海プロジェクトの短編映画が、彼女の中国本土映画に対する印象を刷新したと語りました。「これまで、中国本土からの映画といえば、大規模な制作の作品が多いという印象がありました。しかし今回、全く異なるスタイルの作品を見ることができ、とても新鮮でした。」彼女は、山海プロジェクトの若手監督たちに対し、自分たちのスタイルを貫くように励まし、「日本でも北野武や是枝裕和のような監督たちが、穏やかな映画を撮り、国際的にも評価され、国内でも高い観客動員を得ています」と付け加えました。

一方で、堅田諒は中日両国の若手クリエイターについて「違いよりも共通点の方が多い」と述べました。「彼らは有名になる前は予算が少なく、自分が最も感動したテーマ、例えば愛や家族といったテーマを選んで作品を制作することが多い」と、題材の選び方に共通点があると指摘しました。それでも、山海プロジェクトの短編映画に描かれた嶺南の風情には強く心を打たれたそうです。「中国南部の建築は、私がまだ一度も行ったことのない風景でした」と語り、「中国は広大で、地域ごとに風景や文化が全く異なり、それが中国映画の多様性を生み出している」と中国の映画制作の豊かさに感銘を受けたと述べました。


また、長沼里奈も同様の感想を述べました。「日本は島国で、地理的な面積が中国ほど広くないため、文化もそこまで多様ではありません。」彼女にとって、今回の山海上映シーズンで紹介された華僑文化は初めて深く触れる機会であり、中国の若手監督たちが作品に込める歴史の重みを強く感じたといいます。「日本の若手クリエイターは身近なことに焦点を当てる傾向があり、歴史を振り返ったり反省したりすることはあまり好まれません。しかし、中国の監督たちは多くの場合、歴史の文脈から現代を見つめ、それが私にとって非常に感動的でした。」


山海プロジェクトについて

山海プロジェクトは、羊城晩報報業グループが主催する、国内外の優秀な華人若手映画監督を発掘、育成、選抜、サポートする大規模な人材支援活動です。このプロジェクトは粤港澳大湾区を拠点とし、世界中から新進気鋭の映像クリエイターを探し出し、彼らが物語、ドキュメンタリー、アニメーションなど多様なジャンルの短編映画制作に挑戦することを支援しています。これにより、未来の華語映像文化への想像力を広げ、映像を通じて世界に新たな中国の姿を発見してもらうことを目指しています。

放映现场反响热烈

2024年度山海展映季北海道活动为日本观众带去的三部短片是《家庭旅行》《海水泡的茶是什么味道》《The River That Holds My Hand》。三部作品均由粤港澳大湾区新生代导演执导,他们于2023年入选山海计划并获得扶持金用以创作。青年导演苏泽朗的《家庭旅行》讲述发生在其家乡香港的家庭故事,陈坚杭的《The River That Holds My Hand》试图在中国潮州和越南胡志明市捕捉同一缕乡愁,黄文礼的《海水泡的茶是什么味道》则讲述在广东清远茶厂工作的越南归侨男子如何面对人生的伤痛与失去。其中,《海水泡的茶是什么味道》曾入围多个国内外电影节展,包括正在举办的第19届札幌国际短片电影节。

三部来自中国岭南的短片要来札幌了!活动开始前一周,山海展映季的消息便随着北海道新闻等当地媒体的传播在当地传开。活动当天,人们很快就坐满了放映厅,工作人员不得不临时“借”椅子以应对更多观众的到来。三部短片均用岭南方言拍摄,但超越语言的情感加上贴心的日文字幕让观众很快便沉浸其中,一个半小时的观影时光转瞬即逝。放映结束后,满场观众用长久的热烈掌声表达对作品的喜爱。

《海水泡的茶是什么味道》导演黄文礼,代表山海计划的青年导演们感谢观众的到来。他面对海外观众时的稍许紧张,很快便被台下观众一个接一个的热情提问打破。“茶在电影里的特殊意义是什么?”“电影的中文名和日文名有什么不同涵义吗?”“为何将华侨故事和爱情故事融合在一起?”观众都想知道更多电影背后的创作故事。黄文礼一一坦诚作答。他告诉观众,故事的灵感来自越南归侨的真实历史,尤其是他们当年辗转回国的场景:“一家人乘坐两条船,以应对海上可能发生的风暴。这让我不由想象,假如风暴真的降临,一条船带着半个家庭沉没,被留下的人会度过怎样的后半生?”有观众与他探讨影片的开放式结尾:男子去看曾经吞没他妻子的大海,到底是缅怀,还是告别?黄文礼的回答是:“这个结尾是一个提问,当时代的洪流在推着我们前进,我们是裹足不前,还是试着往前走一步?电影里的男子,走出了属于他的那一步。”

札幌向中国导演发出邀请

除了与观众交流,黄文礼这天还代表山海计划青年导演,与日本电影界和学界的代表对谈。日本青年导演长沼里奈、知名电影学者和电影评论家坚田谅、札幌电影委员会代表芳贺优菜,与黄文礼一道,围绕中日电影产业与创作展开探讨。

长沼里奈过去曾与中国香港和中国澳门的青年创作者们联系紧密,这是她第一次接触来自中国内地的青年导演作品。她表示,三部作品的“安静”风格以及对长镜头的成熟运用,都给她留下了深刻的印象。坚田谅则着重指出《海水泡的茶是什么味道》中视听语言的优秀,“不仅从视觉上传达了中国岭南的风情,声音设计方面也非常巧妙,激发了关于中国的海洋想象”。

交流中,黄文礼坦诚表达了自己作为一名新导演的困惑:“你们会觉得我的片子沉闷无聊吗?像这类片子真的会有市场吗?”长沼里奈果断回答:“我不觉得无聊,相反,我的心灵受到很大的震动。”她还说,黄文礼的风格让她联想到了中国青年导演毕赣的作品,“他近年来在日本市场可是颇受欢迎”。坚田谅则笑着指着台下:“看这满场的观众,你就知道答案了。如果以后你拍了长片,我很愿意成为第一批观众。”

札幌电影委员会代表芳贺优菜向黄文礼了解影片取景的经过。她问道:“我发现影片中有很多不同的场景,在取景时遇到过场地方面的难题吗?”黄文礼回答:“感谢出品方羊城晚报报业集团的支持——除了创作扶持金,我们在包括场地在内的很多方面都得到了很大的帮助。”

芳贺优菜表示,她想通过羊城晚报向中国的电影创作者们发出邀约,请大家多到札幌来拍片。她介绍当地的电影优惠政策:“电影只要在札幌有7天以上的拍摄行程,札幌电影委员会就能给予最高1000万日元的补助金。”

岭南风情打动日本观众

谈及中日青年电影人的成长轨迹,长沼里奈对中国青年电影人多受过良好的电影专业教育表示羡慕。她透露:“我是高中毕业后,在片场的实践中成长起来的。事实上,很多日本青年电影人都没上过大学。当我看完三部山海计划短片后,很大的感受是中国的青年导演的电影手法太成熟了!我不禁想,如果日本的青年导演们也接受过相同的专业教育,他们的作品或许能更上一层楼。”

长沼里奈还表示,山海计划短片刷新了她对中国内地电影的看法:“过去,我们对来自中国内地的电影,印象多是那些大制作的片子。但这次,我们看到了完全不一样的东西,感觉非常新鲜。”她鼓励山海计划的青年导演们坚持自己的风格,“在日本,北野武和是枝裕和等导演都拍过‘平静’的电影,在国际上取得了名次,也在国内获得了不错的上座率”。

对中日的青年创作者,坚田谅的看法是:“与其说不同,我更多感受到他们的相同之处。在成名之前,他们都没有太多的预算,因此多半会选择自己感受最深的题材进行创作,比如爱情和家庭。”尽管题材相似,但坚田谅还是被三部山海计划短片中的岭南风情深深打动,“像中国南方的建筑物,那是从没去过中国的我从未见过的”。他说:“中国太大了,每个地方的风貌都如此不同,这能让中国的电影创作呈现出非常多元的姿态。”

长沼里奈也发出了相似的感叹:“日本是一个岛国,地理面积没有中国那么大,因此文化也没有中国那么多元。”她透露,像本次山海展映季作品所带去的华侨文化,对她来说也是第一次深入接触。她被中国青年导演们作品中展现的历史厚重感所打动,“日本的青年创作者更关注身边的事,不太喜欢回忆或反思,但中国的导演很多都会从历史的脉络中寻找当下,这点让我很感动”。

关于山海计划

山海计划是由羊城晚报报业集团主办的对海内外优秀华人青年导演进行挖掘、孵化、选拔和培养的大型人才扶持活动。活动立足粤港澳大湾区,面向全球寻找影像创作领域的新锐力量,支持他们探索剧情、纪录、动画等不同类型的短片创作,突破和展开对未来华语影像文化的想象之路,也让世界通过影像重新发现中国。

出品人 | 任天阳、林海利

总监制 | 孙璇、胡泉、林如敏

总策划 | 孙朝方

执行总监 | 吕楠芳

活动统筹 | 蔡淳淳

传播统筹 | 李丽、詹锡伟

文 | 李丽

译 | 赵凡

审 | 邹晓华