山海計画の若手監督、黄文礼(ホアン・ウェンリー)が手掛けた短編映画『海水泡の茶はどんな味?』(2023年)が、第19回札幌国際短編映画祭の国際コンペティション部門に選出され、10月中旬に日本で初上映されることが決定しました。黄文礼とその作品は、世界中から寄せられた2058作品の中から選ばれたものであり、中国の監督と作品が選ばれたのは、わずか二つのみです。
札幌国際短編映画祭(Sapporo International Short Film Festival & Market)は、日本及びアジア最大かつ最も権威のある短編映画祭の一つであり、カナダの映像賞(Canadian Screen Award Qualifying)など多くの認証を受けています。毎年2800から3500の異なるジャンルの作品が集まり、アジアにおける国際的な映画の発表の中心的な舞台となっています。第19回札幌国際短編映画祭は、2024年10月11日から14日まで開催されます。
『海水泡の茶はどんな味?』は「山海計画」によって支援された作品で、全編は広東省英德市の英紅鎮にある紅旗茶園で撮影されています。本作は、愛する人を失ったベトナム帰国者の茶摘み工、阿建が人生の痛みに立ち向かう姿を描いています。
黄文礼は広東省で生まれ育ち、故郷の華僑文化や華人の物語に深い興味を持ってきました。そして、彼は「難民華僑」という独特な視点から短編を制作することにしました。「難民華僑」とは、海外で戦争や自然災害、あるいは人為的迫害に苦しむ華僑のことを指します。物語の主人公である阿建は、1970年代にベトナムから帰国した難民華僑で、物語の舞台となる英紅華僑茶園は、国内で最も多くの帰国難民を受け入れた華僑農場の一つです。
本作では、黄文礼は少ないセリフで必要な情報を伝えつつ、視聴覚的な言語を駆使して豊かな雰囲気を醸成し、登場人物の過去の記憶や複雑な感情を表現しようと試みています。愛と孤独に関する物語を通じて、彼は次のようなテーマを伝えたいと考えています。「時間は万能ではありません。一部の痛みは時間と共に消え去ることはありませんが、私たちはその痛みと共に生きる方法を学ばなければなりません。」
今年4月、『海水泡の茶はどんな味?』は第46回モスクワ国際映画祭の上映部門に選ばれ、モスクワで二回の上映と交流イベントを行い、世界初上映を果たしました。8月には、第8回86358ジャ家庄短編映画祭の主要コンペティション部門に入選しました。さらに、本作は重慶青年映画展の「国際伝播計画」短編コンペティション部門にも選出され、10月下旬に重慶で初上映される予定です。
山海計画は、羊城晩報報業グループが主催し、海外の優れた華人若手監督を発掘、育成するための大規模な才能支援活動です。この活動は、粤港澳大湾区を基盤に、世界中から映像制作の新たな才能を探し出し、ストーリー、ドキュメンタリー、アニメーションなどの様々なタイプの短編制作を支援し、未来の華語映像文化の可能性を広げることを目的としています。また、世界が映像を通じて中国を再発見する機会を提供しています。
山海计划短片《海水泡的茶是什么味道》将亮相日本札幌国际短片电影节
由山海计划青年导演黄文礼执导的短片《海水泡的茶是什么味道》(2023)入围第19届札幌国际短片电影节国际竞赛单元,将于10月中旬在日本首次放映。黄文礼及其作品在本次电影节中从来自全球的2058份参赛作品中脱颖而出,成为唯二入围的中国导演及中国影片。
札幌国际短片电影节( Sapporo International Short Film Festival & Market ) 是日本和亚洲最大、最具权威和影响力的短片电影节之一,受到加拿大影视奖(Canadian Screen Award Qualifying)等多项认证,是亚洲跨国电影展示的中心舞台,每年吸引2800至3500个不同类型的作品参展。第19届札幌国际短片电影节将于2024年10月11日至14日举行。
《海水泡的茶是什么味道》由“向山海走去”青年导演创作扶持计划(简称山海计划)扶持拍摄,全片主要在广东英德英红镇红旗茶厂取景,讲述一位失去爱人的越南归侨采茶工阿建与人生伤痛挣扎缠斗的故事。
黄文礼在广东出生长大,对家乡的侨文化和华人华侨故事一直很感兴趣,最终他找到“难侨”这个独特的切入点进行短片创作。“难侨”指的是在国外遭受战争、天然灾害或人为迫害的侨胞,片中主人公阿建便是一名上世纪七十年代从越南归来的难侨,其在片中所处的英红华侨茶场曾是全国安置归国难侨最多的华侨农场。
在影片中,黄文礼试图在只用少量台词交代必要信息的前提下,尽量依靠视听语言营造充足氛围,将人物的过往记忆和复杂情感呈现到位。他想通过一个关于爱与孤独的故事,表达一个主题:“时间并不是万能的。有些伤痛并不会随着时间而消逝,但我们要学会如何与伤痛共存。”
今年4月,《海水泡的茶是什么味道》入围第46届莫斯科国际电影节展映单元,在莫斯科举行了两场放映和映后交流活动,完成世界首映。8月,该片入围第8届86358贾家庄短片周主竞赛单元。此外,《海水泡的茶是什么味道》还入围了重庆青年电影展“国际传播计划”短片竞赛单元,将于10月下旬在重庆首次放映。
山海计划是由羊城晚报报业集团主办的对海内外优秀华人青年导演进行挖掘、孵化、选拔和培养的大型人才扶持活动。活动立足粤港澳大湾区,面向全球寻找影像创作领域的新锐力量,支持他们探索剧情、纪录、动画等不同类型的短片创作,突破和展开对未来华语影像文化的想象之路,也让世界通过影像重新发现中国。
文 | 詹锡伟
图 | 受访者提供
译 | 李丹